不登校の中学生どう接する
子どもが学校に行き渋ったり(登校しぶり)や不登校の子どもを抱えると親は、どうやって接したら良いか分からないと扱いに困るようです。思春期という難しい年頃にさしかかり学校に行けなくなると人生の時間が止まってしまったような感覚になりますが子どもたちは、不登校の間でも停滞し休止しているわけではありません。
私も自分の子供が不登校のとき焦りがありました。それは皆に置いて行かれる焦りです。学校を休み授業が進んでいく中、自分の子供だけが立ち止まってレースから脱落したような気持ちでした。そのときは、焦りと不安しかなくて子どもの成長に目をむけることができなかったけど、中学のとき不登校でも3年後高校を卒業し5年後は、大学生になっていたり専門学校に進んだ子もいます。自分の目指している職業に就いた子もいます。全日制・定時制・通信制など選択肢は、いくつもあります。
自分の子供が不登校になったとき「どうしてうちの子が?」と思いました。保育園や幼稚園の子どもなら力づくで登園させることもできますが中学ぐらいになると自分と同じくらいの身長になっており力づくで引っ張ってでも登校させるべき!という方もおられますが、それは無理!!できません。むしろ止めたほうがいいです。
でもうちの子が不登校になったとき、保健室の先生は、部屋に上がり込み嫌がる娘を引っ張っていこうとしました。子どもの意に反して無理やり連れて引きずってでも行こうとしたのです。娘は、激しく抵抗しました。半分「子ども」で半分「大人」の中学生、でもちゃんち意思があるので無視して大人が力づくで連れて行っても良いことは1つもありません。
中学ぐらいになると大声で叱り飛ばしても叩いてもテコでも動きません。縄をつけてでも登校させるべきという考えの人もいますが、まったく現実的ではありません。(´ヘ`;)
子どもたちは、数年後に「ちゃんと学校に行けばよかった」という子が3分の1。「学校には行けばよかったけどどうしようもなかった」という子が3分の1。学校を休むことでいろいろなものが見えてきて逆に良かったという意見が3分の1。
不登校児のかかわり方
- 年齢に応じて対処法をかえる
- 子どもが抱えている心の問題により対応を替えること
- 心の回復にはいくつかの段階があること
- 段階に応じたタイミングで良い関わりを持つこと
- 登校させることが唯一の目標でないことを親が認識すること
- 不登校で子どもが出したSOSを的確にとらえ解決をはかること
不登校の子供は心の病気ではない
不登校の子供は心の病気ではありません!不登校の99%は、精神科医のいう精神病ではありません・・。本人や周囲に問題がある場合が多いようです。集団いじめや仲間はずれ(無視)は、家庭では防ぐことができません。大人より子どもの方が適応能力が高いようですが、性格的に適応しにくい子もいます。
小学校低学年の子が不登校なら腰を据えてじっくり話しを聞いてあげることで安心感が得られれば比較的早く再登校できます。しかし思春期になると親や大人(学校の先生や養護教諭)と話すのを億劫に感じるために自分自身の問題をうまく表現できません。また問題が複雑で誰にどう相談したら良いのか分からないことも多いようです。女子は、複雑な人間関係に悩み男子は、悩みを相談するのが得意ではないので自分のからにとじこもります。
高校生や中学生と小学生では事情が異なる
小学生が不登校になった場合中学校や高校と大きく違うのはフリースクールなどの選択肢がないと言う点です。高校には単位制高校やフリースクールサポート校があり高校卒業程度の認定試験で大学への道も開けます。そう考えると小学校の不登校の方がほかに選択肢がないため八方塞りの状態になるのでは無いでしょうか?
学校は、勉強をしにいくところ・・学校を休むと勉強が遅れてしまう・・親はそこに重きを置きますが同年代の子どもたちの集団のなかでもまれてこそ「人間関係のスキル」が磨かれます。大人とは、会話ができるのに子どものなかに入ると会話ができない・・そんな子もいますがやはり同年代のなかで学ぶことが一番多いと思うのです。
宿泊研修キャンプをきっかけに登校しぶりをはじめたSさん
中学2年生のSさんは・・宿泊研修以降不登校になりました。吐き気や頭痛を訴え登校しぶりがはじまってしまいました。Sさんは、ソフトボール部に入部し中1のときから中2(先輩)に交じってプレイするほど運動神経が良い子でした。学級でも先輩からも先生からの受けが良い子でした。
ずばぬけた運動能力で女子のなか1人リーダータイプだったSさん。次のキャプテン次の部長は、誰もがSさんだと思っていました。
しかしSさんは、仲が良かったKさんと宿泊研修中ささいなことで口げんかをし二人は、絶交しました。以来・・リーダーとして慕っていたSさんの友達は、皆Kさんの方に流れていきKさんも含めてソフトボール部全員が徹底的に「無視」を始めました。Kさんが、いじめのリーダーになったわけでは無いのですがボスが変わってボスに従わないと自分がいじめられる構図のようでした。SさんとKさんの口げんかの内容を、周囲は、よく分かっていませんでした。
不登校が何日か続き心配になった父親は、車に乗せて学校に連れて行きました。しかしSさんは、「私には親友がいない」「トモダチは信用できない」と泣きだすばかり。父親は、仕事に遅れるため娘を校門まで送り届けると学校を後にしました。Sさんはトイレに閉じこもって鍵をかけてしまいしばらく教室にはいることすらできませんでした。
病院ならば気にいらなければ病室を変えることができます。でも学校は、友達も先生も自分の力で変えることができません。Sさんは、小さい頃から厳しい態度でしつけた母親に対し『脅威』を抱いていました。教員の資格を持っていたSさんの母親は、教育や育児に関して絶対的な自信を持っていました。Sさんに対しても完璧な子どもに育てようと非常に熱心な教育ママでした。
家族の絵を描いたときSさんは、自分と母親を離れたところに描き母親を紫色で描いていました。母親からの呪縛がとけたときSさんは、ようやく学校に通い始め卒業を迎えました。
不登校、ひきこもりは心の問題ではない
不登校、ひきこもりは「心の問題」「心の病気」といわれることが多く食生活や生活習慣貧困なども深く影響していま。Mさんは、中学3年生ご両親は、共働き夫婦で父親は職人。母親は、アルバイトやパートを2つ3つ掛け持ちしています。
高校生を筆頭に子どもが3人おり給食費の未払いや修学旅行費バス代の支払いクラブ活動や部の会費(月謝)がいつも滞ります。研修旅行や修学旅行受験のための納付金も学校で決められた期日に入金できません。「払えない」のか「払わない」のか不明です。しかしMさんの、母親は、「Mを皆と同じようにしてあげたい」が口癖です。払わなければならない費用を払えない?払わない・・。
そのためMさんは、中学校時代不登校で保健室登校でした。貧困あるいは他に理由があって、支払うべきお金を払えない払わない親は、一種のネグレクトだといいます。過保護になってもいけない過干渉になってもいけない・・Mさんが不登校から立ち直る日が来るとしたら親が変わるべきなのかもしれません。